国民年金の育児免除はいつから — 2026年10月開始の新制度と免除額
最終更新: 2026-07-13
目次
令和8年(2026年)10月1日から、国民年金第1号被保険者(自営業者・フリーランスなど)を対象とした「育児期間の保険料免除制度」が始まります。この制度は子どもを養育する期間の保険料納付を免除し、かつ将来の年金額には満額が反映される点が特徴です。
要点 (令和8年10月〜)
- 2026年10月1日施行。同日以降の月分が対象で、それ以前の保険料には遡及しない
- 国民年金第1号被保険者(自営業者・フリーランス等)の実父母・養父母に限定。第2号(会社員)・第3号(被扶養配偶者)は対象外
- 免除期間: 実父・養父母は最大12ヶ月、実母は産前産後免除と合わせて最大13ヶ月
- 所得制限なし。申請するだけで認められる
- 免除期間も「保険料納付済」として老齢基礎年金に満額反映される
CashOnHand のシミュレータ で個人事業主の手取り全体を試算できます。国民年金保険料の年額は 国民年金保険料はいくら もあわせて参照してください。
結論: 育児免除の概要
令和8年(2026年)10月1日から、1歳未満の子を養育する国民年金第1号被保険者は申請することで、所得に関係なく保険料の納付が免除されます1。
対象者と免除月数 — 実父母・養父母が対象
| 区分 | 対象者 | 最大免除月数 | 月額保険料 (令和8年度) | 最大免除額の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 育児免除のみ | 実父・養父母 | 最大12ヶ月 | 17,920円 | 最大約215,040円 |
| 産前産後免除+育児免除 | 実母 (産前産後免除あり) | 最大13ヶ月 | 17,920円 | 最大約232,960円 |
注: 2026年10月1日以降の月分のみ対象です。それ以前は対象外のため、2026年10月よりも前に子が生まれている場合は免除対象月数が短くなります。実際の免除月数や免除額は個々の状況によって異なります。
第1号被保険者限定 — 会社員・第3号は対象外
この制度は国民年金第1号被保険者に限定されます1。被保険者の種別ごとの対応を整理すると次のとおりです。
| 被保険者の種別 | 対象者 | 育児期間の制度 |
|---|---|---|
| 第1号被保険者 | 自営業者・フリーランス・農業者・学生など | 今回の新制度(育児免除)が適用 |
| 第2号被保険者 | 会社員・公務員 (厚生年金加入者) | 従来からある「育児休業等保険料免除」が適用 |
| 第3号被保険者 | 専業主婦・主夫 (第2号の被扶養配偶者) | 保険料の納付義務がないため対象外 |
会社員が利用する「育児休業等保険料免除」(厚生年金の育休免除)は今回の制度とは別の仕組みです。混同しないよう注意してください2。
対象期間と計算の仕組み
実父・養父母の場合: 最大12ヶ月
子を養育することとなった月から、子が1歳になる誕生日の前月まで、最大12ヶ月間が育児免除の対象です1。子との法的な親子関係が継続し、かつ同一住所にあることが要件です。
実母の場合: 産前産後免除と合わせて最大13ヶ月
国民年金には、2019年4月から「産前産後期間の保険料免除」制度があります3。単胎妊娠の場合は出産予定月の前月から出産予定月の翌々月まで最大4ヶ月間が免除されます。
今回の育児免除は、この産前産後免除期間に引き続く9ヶ月間が対象となります。産前産後免除と合わせると、実母は最大13ヶ月間にわたり保険料の納付が免除されます1。
2026年10月以降の月分が対象
育児免除は令和8年(2026年)10月1日以降の月分から適用されます。それ以前に出生した子を養育している場合でも、2026年10月以降の月分については申請により免除を受けられます1。ただし、2026年9月以前の月分には遡及しません。
年金額への影響 — 満額が反映される
育児免除期間は「保険料を納付したもの」として扱われるため、老齢基礎年金の受給額に満額が算入されます1。
これは所得基準型の免除・猶予制度(全額免除では老齢基礎年金が本来額の2分の1しか反映されないなど)とは異なります。育児免除を受けても将来の年金が減額されない点が制度上の大きな特徴です。
なお、免除は保険料の「免除」であって、保険料を代わりに誰かが払ってくれるわけではありません。本人が保険料を支出しない期間も年金権が守られる、という制度です。
申請方法
申請方法は2種類です1。
- マイナポータルによる電子申請: マイナンバーカードを使ってオンラインで申請できます
- 市区町村窓口: お住まいの市(区)役所または町村役場の国民年金担当窓口へ書面で届出。郵送でも手続きできます
申請に必要な書類は原則として添付不要です。ただし詳細は申請時点の日本年金機構または市区町村の案内で確認してください。
所得制限がないことの意味
従来の国民年金保険料免除・納付猶予制度は、前年の所得が一定基準以下の場合にのみ認められます。一方、今回の育児免除は所得制限なしで申請できます1。
売上・所得の大小にかかわらず申請対象となるため、育児中の個人事業主・フリーランスは施行後に確認・申請することを検討してください。ただし申請の要否・メリットは個人の状況によって異なるため、具体的な判断は税理士や年金事務所に相談してください。
よくある質問
国民年金の育児免除はいつから?
令和8年(2026年)10月1日から施行されます。2026年10月以降の月分の保険料が免除の対象です1。
何ヶ月間免除される?
実父・養父母は子が1歳になる誕生日の前月まで最大12ヶ月間、実母は産前産後免除(最大4ヶ月)に引き続く9ヶ月間で合計最大13ヶ月間です1。免除月数は子の生年月日と制度施行日(2026年10月)の組み合わせによって変わります。
申請しないと免除されない?
はい、申請が必要です。自動的には適用されません1。
会社員にも適用される?
いいえ。この制度は国民年金第1号被保険者限定です。会社員(第2号被保険者)は従来からある厚生年金の「育児休業等保険料免除」が別途あります2。
育児免除を受けると確定申告の社会保険料控除はどうなる?
育児免除で実際に支払わなかった保険料は社会保険料控除の対象にはなりません。支払った保険料のみが控除の対象となります。免除された月分は社会保険料控除の計算に含めないよう注意してください。
令和8年度の国民年金保険料額
育児免除の対象となる令和8年度の国民年金保険料は月額17,920円(年額215,040円)です4。この金額は売上・所得の大小にかかわらず全国一律です。CashOnHand の計算エンジンでも同額で計算されます。
免責・個別案内について
本記事は令和8年度・2026年7月時点の一般的な情報であり、個別の税務・社会保険に関する助言ではありません。育児免除の申請要件・手続きの詳細は制度施行後に変更される場合があります。正確な情報や個別の状況に応じた判断は、日本年金機構・市区町村の国民年金担当窓口または税理士にご相談ください。
最終更新: 2026-07-13
出典
Footnotes
-
日本年金機構「令和8年(2026年)10月から国民年金保険料の育児免除制度が始まります!」 https://www.nenkin.go.jp/tokusetsu/ikujimenjo.html (最終確認 2026-07-13) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11
-
日本年金機構「育児休業期間中の保険料免除」 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/menjo/ikuji-menjo/index.html (最終確認 2026-07-13) ↩ ↩2
-
日本年金機構「国民年金保険料の産前産後期間の免除制度」 https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20180810.html (最終確認 2026-07-13) ↩
-
日本年金機構「国民年金保険料」 https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/hokenryo.html (最終確認 2026-07-13) ↩