個人事業主の国民健康保険料の計算方法 — 令和8年度の早見表と概算
最終更新: 2026-07-01
目次
個人事業主の国民健康保険料は、所得税や住民税とは別の論理で決まります。会社員のように給与から天引きされるのではなく、前年の所得をもとに市区町村が計算し、自分で納付します。この記事では令和8年度 (2026 年度) の制度で計算の仕組みを整理し、大阪市の料率を例に売上別の年額概算を早見表にまとめます。
要点 (令和8年度)
- 国民健康保険料は「医療分 + 後期高齢者支援金分 + 介護分 (40〜64 歳) + 子ども・子育て支援金分」の合計で、各区分が「所得割 + 均等割 + (平等割)」で構成される
- 所得割の賦課基準額は「前年の総所得金額等 − 基礎控除 43 万円」。青色申告特別控除は差し引いた後の事業所得が使われる
- 料率は自治体ごとに異なるため、金額はあくまで概算。大阪市 (大阪府の府内統一料率) を代表例として掲載
- 令和8年度は区分ごとに賦課限度額があり、大阪市では合計 112 万円が上限
正確な金額は、居住地や世帯構成まで反映した試算が必要です。読み終えたら CashOnHand のシミュレータ で自分の条件を入力して試算してみてください。手取り全体の流れは 個人事業主の手取り計算 にまとめています。
結論: 売上別の国民健康保険料 早見表 (概算)
令和8年度・大阪市の府内統一料率・単身・40〜64 歳 (介護分を含む)・経費 年 60 万円・青色申告特別控除 65 万円を前提にした、売上別の国民健康保険料の年額概算です。所得割の料率は自治体ごとに異なるため、金額は概算として扱ってください。
| 売上 (税込) | 国民健康保険料 年額 (概算) | 月額換算 (概算) |
|---|---|---|
| 400 万円 | 約 413,517 円 | 約 34,460 円 |
| 600 万円 | 約 694,245 円 | 約 57,850 円 |
| 800 万円 | 約 974,972 円 | 約 81,250 円 |
| 1,000 万円 | 約 1,101,400 円 | 約 91,780 円 |
注: この早見表は CashOnHand の計算エンジンによる概算です。経費・控除・年齢・世帯構成・居住地を変えると金額は大きく動きます。売上 1,000 万円の行は、賦課限度額の上限に近づくため所得の伸びほどは増えていません。
→ 自分の売上で試算する: シミュレータで売上・経費を入力
国民健康保険料の構成 — 医療分・後期高齢者支援金分・介護分
令和8年度の国民健康保険料は、40〜64 歳の場合「医療分 + 後期高齢者支援金分 + 介護分」を基本に、令和8年度から新設された「子ども・子育て支援金分」を加えた区分の合計で決まります12。
各区分は、次の 3 つ (介護分と子ども・子育て支援金分は平等割を除く) の組み合わせです1。
- 所得割: 前年の所得に応じて負担する部分
- 均等割: 被保険者の人数に応じて負担する部分
- 平等割: 世帯ごとに定額で負担する部分 (医療分・後期高齢者支援金分のみ)
年齢によってかかる区分が変わります。0〜17 歳は医療分と後期高齢者支援金分、18〜39 歳と 65〜74 歳はそこに子ども・子育て支援金分が加わり、40〜64 歳はさらに介護分が上乗せされます2。介護分は 65 歳になると国民健康保険料から外れ、介護保険料として別に納める仕組みです。
賦課対象になる所得 — 総所得金額から基礎控除 43 万円を引く
令和8年度の所得割は、「前年中の総所得金額等 − 基礎控除 43 万円」を賦課基準額として計算します (基礎控除 43 万円は合計所得金額 2,400 万円以下の場合)13。
ここで重要なのは、賦課基準額に含まれる事業所得は青色申告特別控除を差し引いた後の金額だという点です。一方で、所得税や住民税で使う各種所得控除 (配偶者控除・扶養控除・社会保険料控除・生命保険料控除など) は、国民健康保険料の計算では差し引かれません。所得税より控除の範囲が狭いため、「所得税は低いのに国保は高い」と感じるのはこのためです。
賦課基準額が確定したら、区分ごとに料率を掛けた所得割へ、均等割と平等割を加えて年額が決まります。各区分には賦課限度額 (上限) があり、所得が高くても上限を超えて課税されることはありません2。
令和8年度 大阪市の料率例
令和8年度の大阪市は大阪府の府内統一料率を適用し、医療分の所得割 9.50%・均等割 34,990 円・平等割 33,908 円などが定められています32。大阪府内では令和6年度から料率が統一され、同じ所得・世帯構成であれば府内のどこでも同じ保険料額になります2。
| 区分 | 所得割 | 均等割 (1 人あたり) | 平等割 (1 世帯) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|---|
| 医療分 | 9.50% | 34,990 円 | 33,908 円 | 66 万円 |
| 後期高齢者支援金分 | 3.06% | 11,191 円 | 10,845 円 | 26 万円 |
| 介護分 (40〜64 歳) | 2.60% | 18,682 円 | — | 17 万円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.28% | 1,841 円 | — | 3 万円 |
賦課限度額は令和8年度から国基準に合わせて引き上げられ、4 区分の合計で 112 万円が上限です2。これらの数値は大阪市 (大阪府) の例であり、他の自治体では料率も限度額の運用も異なります。
自治体により料率が異なる — だから「概算」で見る
国民健康保険料の算定方法や料率は各市町村の条例で定められており、同じ所得・世帯構成でも住む場所によって年額が変わります4。
医療費の水準や被保険者の構成、財政状況が地域ごとに違うため、料率には差が生まれます。大阪府のように府内で料率を統一している地域もあれば、市区町村ごとに独自の料率を設定している地域もあります。この記事の早見表や大阪市の料率例は、あくまで一例としての概算です。自分の居住地の正確な金額は、市区町村の通知やシミュレータで確認してください。
→ 居住地を選んで試算する: シミュレータで自治体を指定
よくある質問
個人事業主の国民健康保険料はどうやって計算する?
「医療分 + 後期高齢者支援金分 + 介護分 (40〜64 歳のみ) + 子ども・子育て支援金分」の合計で、それぞれが「所得割 + 均等割 + (平等割)」の組み合わせです。所得割の賦課基準額は、前年の総所得金額等から基礎控除 43 万円を引いた額で、青色申告特別控除は差し引いた後の事業所得が使われます13。
国民健康保険料に上限はある?
あります。令和8年度は区分ごとに賦課限度額が定められており、大阪市 (大阪府の府内統一料率) では医療分 66 万円・後期高齢者支援金分 26 万円・介護分 17 万円・子ども・子育て支援金分 3 万円で、合計 112 万円が上限です2。
国民健康保険料の計算で青色申告特別控除は反映される?
反映されます。賦課基準額に含まれる事業所得は、青色申告特別控除を差し引いた後の金額です。ただし所得税・住民税の各種所得控除は国民健康保険料の計算では差し引かれません1。
なぜ自治体によって違う?
国民健康保険料の算定方法や料率は各市町村の条例で定められているためです4。医療費水準や財政状況が地域ごとに異なるため、同じ所得でも住む場所で年額に差が出ます。
40 歳になると国民健康保険料は上がる?
上がります。40〜64 歳は介護保険第 2 号被保険者として介護分が上乗せされます。令和8年度の大阪市では介護分の所得割 2.60%・均等割 18,682 円が加算されます2。
自分の国民健康保険料を試算する
ここまで読んでも、自分の国民健康保険料が具体的にいくらになるかは、居住地・所得・世帯構成の組み合わせで変わります。CashOnHand のシミュレータなら、売上・経費・控除・居住地を入力するだけで、令和8年度の国民健康保険料を含む 6 つの支出と手取りを試算できます。
→ シミュレータを開く (登録不要・無料・ローカル動作)
手取り全体の計算の流れは 個人事業主の手取り計算 を参照してください。
注記・免責
本記事は令和8年度時点の一般的な情報であり、個別の税務・保険料の助言ではありません。国民健康保険料の料率と賦課限度額は毎年度・自治体ごとに改定されます。早見表や大阪市の料率例はモデルによる概算であり、実際の判断や正確な金額は、お住まいの市区町村の国民健康保険窓口や税理士に相談・確認してください。
最終更新: 2026-07-01
出典
Footnotes
-
大阪市「保険料の決め方」 https://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/page/0000624098.html (最終確認 2026-07-01) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
-
大阪市「令和8年度 国民健康保険料率について」 https://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/cmsfiles/contents/0000007/7173/R7-2-4-3_houkoku2.pdf (最終確認 2026-07-01) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8
-
大阪市「令和8年度大阪市国民健康保険料のお知らせ」 https://www.city.osaka.lg.jp/fukushima/page/0000624311.html (最終確認 2026-07-01) ↩ ↩2 ↩3
-
厚生労働省「国民健康保険の保険料・保険税について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21517.html (最終確認 2026-07-01) ↩ ↩2