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個人事業主の住民税の計算 — 令和8年度の仕組みと早見表

最終更新: 2026-07-14

目次

個人事業主は会社員と異なり、住民税が給与から天引きされません。確定申告の結果をもとに市区町村が税額を計算し、翌年6月から自分で納付します。今年の売上・経費を把握しておくと翌年の資金計画が立てやすくなります。この記事では令和8年度 (2026 年度) の仕組みを整理し、計算手順と売上別の目安額を解説します。

要点 (令和8年度)

  • 住民税 = 所得割 (課税所得 × 10%) + 均等割 (5,000円/年・森林環境税含む)
  • 住民税の基礎控除は 43 万円。同じ年度の所得税基礎控除 (令和8年分は原則 62 万円+物価連動特例分) より少ない
  • 国民健康保険料・国民年金保険料は全額が社会保険料控除として課税所得から差し引かれる
  • 住民税は前年所得課税。令和8年度分 (令和7年分所得) は令和8年6月から4期払い

正確な手取り全体の試算は CashOnHand のシミュレータ で行えます。手取りの全体像は 個人事業主の手取り計算 を参照してください。

結論: 売上別の住民税 早見表

令和8年度・新宿区 (東京23特別区の代表例)・単身・40〜64歳・青色申告特別控除65万円・経費月5万円・インボイス経過措置 (2割特例) の前提での、売上規模別の住民税年額目安です。

売上 (税込)住民税の目安月額換算
300 万円約 35,250 円約 2,940 円
400 万円約 114,000 円約 9,500 円
500 万円約 201,700 円約 16,810 円
600 万円約 299,300 円約 24,940 円
800 万円約 456,800 円約 38,070 円

注: この早見表は CashOnHand の計算エンジンによる目安です。住民税率はほぼ全国一律 (所得割10%・均等割5,000円) ですが、国民健康保険料など社会保険料控除の額は自治体により異なるため、金額は変わります1。経費・控除・年齢・世帯構成を変えると大きく動きます。

→ 自分の条件で試算する: シミュレータで確認

計算の仕組み — 4 ステップ

令和8年度の個人事業主の住民税は、次の手順で計算します1

ステップ 1: 事業所得を確定する

事業所得 = 収入金額 − 必要経費 − 青色申告特別控除 (最大 65 万円)

青色申告特別控除は所得税・住民税の双方で事業所得から差し引かれます。65 万円の控除を受けると、住民税では 65 万円 × 10% = 約 6 万 5,000 円の税額が下がります。

ステップ 2: 所得控除を差し引いて課税所得を求める

住民税の課税所得 = 事業所得 − 各種所得控除の合計

主な所得控除 (住民税版の金額) は次のとおりです。

  • 基礎控除: 43 万円 (令和8年度も変更なし)23
  • 社会保険料控除: 実際に支払った国民健康保険料 + 国民年金保険料 (全額)
  • 配偶者控除・扶養控除など: 世帯構成に応じた金額

住民税の基礎控除は令和8年度も 43 万円です2。同じ年度の所得税基礎控除 (令和8年分は原則 62 万円+物価連動特例分) より低いため、住民税の方が課税所得が広くなる点に注意が必要です。

ステップ 3: 所得割を計算する

所得割 = 課税所得 × 10% (市区町村民税 6% + 道府県民税 4%) − 調整控除1

調整控除とは、所得税と住民税の基礎控除・配偶者控除などの金額差を補正するために差し引かれる額です。課税所得が 200 万円以下の場合は、人的控除差と課税所得の少ない方の 5%、200 万円超の場合は最低 2,500 円が控除されます。

ステップ 4: 均等割を加算する

住民税 = 所得割 + 均等割 5,000 円

均等割 5,000 円の内訳は道府県民税 1,000 円・市区町村民税 3,000 円・森林環境税 (国税) 1,000 円です4。収入の大小にかかわらず同一額が課税されます。

住民税の主な所得控除

住民税の所得控除は所得税と体系が同じですが、控除額が異なります。令和8年度に特に重要なものを整理します。

基礎控除 (43 万円)

合計所得金額 2,400 万円以下の場合は一律 43 万円です2。所得税の基礎控除は令和7年度税制改正で引き上げられましたが、住民税の基礎控除は変更されていません3

社会保険料控除 (全額)

実際に支払った国民健康保険料・国民年金保険料は全額、課税所得から差し引けます。国民年金保険料は令和8年度 月額 17,920 円・年額 215,040 円で、この控除だけで住民税を約 2 万 1,500 円 (215,040 円 × 10%) 引き下げます。生計を一にする家族の保険料を代わりに支払った場合も控除対象です。

配偶者控除・扶養控除 (令和8年度の注意点)

令和8年度から特定親族特別控除が新設されました。19 歳以上 23 歳未満で合計所得金額が 58 万円超 123 万円以下の扶養親族がいる場合、住民税でも一定額の所得控除が受けられます3。また、各種扶養控除等の所得要件が 10 万円引き上げられています3

申告と納付スケジュール

申告

個人事業主の場合、毎年2月16日から3月15日の確定申告を提出することで、住民税の申告を兼ねることができます。確定申告書を提出した場合、別途住民税の申告書を市区町村に提出する必要はありません1

納付スケジュール (普通徴収)

住民税は前年の所得を基に計算されます。令和8年度分 (令和7年分の所得に対する住民税) の納付期限の目安は次のとおりです1

納付期限 (目安)
第 1 期令和8年 6月末
第 2 期令和8年 8月末
第 3 期令和8年10月末
第 4 期令和9年 1月末

各期の金額は市区町村から 6 月ごろに届く「納税通知書」に記載されます。端数の関係で第1期がやや多くなることがあります。

なお、令和8年分 (2026 年) に稼いだ所得に対する住民税は令和9年度分として令和9年 6 月から始まります。今年の売上見込みから翌年の住民税を把握するには CashOnHand のシミュレータ が役立ちます。

よくある質問

個人事業主の住民税はどう計算するの?

事業所得から基礎控除 (43 万円)・社会保険料控除などを差し引いた課税所得に 10% を掛けて「所得割」を求め、定額の「均等割」5,000 円 (森林環境税含む) を加えたものが住民税の合計です1

住民税の基礎控除はいくら?

令和8年度も 43 万円です2。所得税の基礎控除 (令和8年分は 62 万円以上) より少ないため、住民税では所得税より広く課税対象になります。

住民税はいつ払う?

前年の所得を基に計算され、6 月・8 月・10 月・翌年1月の 4 回に分けて納付します (普通徴収)。令和8年度分は令和8年 6月から令和9年 1月にかけてです1

国民健康保険料や国民年金は住民税に影響する?

実際に支払った金額がそのまま「社会保険料控除」として全額差し引かれます。国民年金だけでも年間 215,040 円 (令和8年度) の控除があり、住民税を約 2 万 1,500 円 (215,040 円 × 10%) 引き下げます。

青色申告特別控除 65 万円は住民税にも効く?

効きます。青色申告特別控除は事業所得の計算段階で差し引かれるため、所得税・住民税の双方で課税所得が下がります。住民税では 65 万円 × 10% = 約 6 万 5,000 円の税額が下がります。

所得割率 10% は全国共通?

標準税率は市区町村民税 6%・道府県民税 4% の合計 10% で、ほぼ全国一律です1。一部の自治体では独自の超過課税を設けている場合がありますが、大多数の自治体で標準税率が適用されます。

自分の手取りを試算する

住民税は、所得税・国民健康保険料・国民年金・個人事業税とともに個人事業主の主要な負担です。CashOnHand のシミュレータなら、売上・経費・居住地・控除を入力するだけで、これらすべてを含む令和8年度の手取りを試算できます。

→ シミュレータを開く (登録不要・無料・ローカル動作)

手取り全体の計算の流れは 個人事業主の手取り計算 で確認できます。

注記・免責

本記事は令和8年度時点の一般的な情報であり、個別の税務の助言ではありません。住民税の税額・控除額は毎年度の税制改正により変わることがあります。各自治体の料率や納期限は自治体により異なる場合があります。具体的な税額や申告手続きは税理士またはお住まいの市区町村窓口にご相談ください。

最終更新: 2026-07-06

出典

Footnotes

  1. 総務省「地方税制度|個人住民税」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_06.html (最終確認 2026-07-06) 2 3 4 5 6 7 8

  2. 国税庁「No.1199 基礎控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1199.htm (最終確認 2026-07-06) 2 3 4

  3. 総務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」 https://www.soumu.go.jp/main_content/001048729.pdf (最終確認 2026-07-06) 2 3 4

  4. 総務省「森林環境税及び森林環境譲与税」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_18.html (最終確認 2026-07-06)